友達と生理周期が重なりやすいのはなぜか?

友達となぜか生理がよく重なるという経験はないだろうか?この「生理がうつる」ような現象は古くから知られており、現在ではドミトリー効果(寄宿舎効果)またはマクリントック効果と呼ばれている。この現象は特に女子寮などの共同生活をするような環境で起きやすいという。このように生理周期が同調してしまうのは一体、なぜなのだろうか?

1971年、ウェルズリー大学の大学院生マーサ・K・マクリントックは彼女自身が通っていた大学寮生を対象に調査を行うとルームメイト友達同士生理周期が同調している事が明らかとなり、その研究論文はNature誌に掲載されて性周期の同調効果は初めて科学的にアプローチされた。さらに1980年にはM・J・ラッセルのグループが複数の女性を対象に脱脂綿を1日中脇に挟んでもらい、これを別の女性の唇の上に週数回、4か月に渡って貼りつけてもらった結果、実験に参加した女性の間で生理周期の同調が確認された。

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実は、この現象は腋の下にあるアポクリン腺という汗腺から分泌される性周期同調フェロモンというフェロモンの一種によって引き起こされると考えられている。

この性周期同調フェロモンは生理の始まり終わり頃にそれぞれ分泌される。生理の始めに分泌されるフェロモンは周りの女性の生理周期を早めさせようとする作用があり、生理の終わりに分泌されるフェロモンは周りの女性の生理周期を遅れさせようとする作用がある。この2つの作用によって徐々に生理周期の間隔が近づいていくのだ。

このように性周期が同調する現象は他の哺乳類でも見られる。しかし、他の哺乳類ではフェロモンを感じ取る為の鋤鼻器(じょびき)と呼ばれる器官があるがヒトではこの鋤鼻器は胎児や新生児までは確認できるものの、成長に伴いほとんど消失してしまう事からヒトの鋤鼻器は既に退化しており、機能していない可能性が高いという。
 
また、性周期同調フェロモンが存在している事は明らかだがどのような物質であるかについて、いくつか有力な候補があるものの現在もまだ物質の特定には至っていない。

哺乳類動物に見られる「フレーメン反応」は,鋤鼻器を空気に晒してより多くのフェロモンを受容体に取り入れようとする生理反応だ。多くの動物は笑っているような表情となる。

まだまだ解明されていない点も多いが、フェロモンの受容体については嗅上皮(きゅうじょうひ)などの他の部位にフェロモンの受容細胞があると考えられており、今後の研究が待たれるところだ。

では生理周期が同調するのはどんな意味があるのだろうか?それはまだ人類が狩りを行っていた厳しい環境下で、このように互いに性周期同調フェロモンによって生理周期が同調して、同時期に妊娠が起きやすくなる事で、集団的に協力して子育てを行うことができたのではないかと考えられている。遺伝子が作り出したこうした仕組みは現在でも受け継がれているのだ。

追記:現在では上記の性周期同調フェロモンによる性周期の同調はその後いくつかの実験により否定されている。同居している場合とそうでない場合で性周期が同調する確率は変わらないことが現在では明らかとなっているのだ。

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