「ハビタブルゾーン」から地球外生命を探る

2017年3月9日
生命の存在が期待されているケプラー22bの想像図。地球外生命は,もしかしたら地球そっくりの星で誕生しているかもしれない。

宇宙には地球以外にも生命が存在するのだろうか?この疑問は、私たち人類が宇宙を観測・探査する重要なテーマの一つである。では、生命が存在するような星を見つけるにはどうすれば良いのだろうか?基本的な考え方としては、生命が既に存在している地球を基準に似た環境の惑星を探せばいい。

地球は太陽からの距離が適当であり、液体の水が存在する。初期の生命の誕生には有機物が液体に溶け込んで降雨蒸発などによって撹拌・凝集されることが重要であるとされているのだ。太陽からの距離が近いと水は気化してしまい、距離が遠いと今度は水が固化してしまう。暑過ぎず、寒過ぎず。液体の水が存在できるような適度な領域内に存在している惑星を探すことが生命を探す上で重要なのだ。



このように,ある恒星系において生命の誕生・生存に適した領域のことをハビタブルゾーンという。”ハビタブル””居住可能””居住に適した”という意味があり、ロシア人天文学者のオットー・シュトルーベが提唱した概念であるとされている。

「生命の進化に最適な領域」はゴルディロックスゾーンと呼ばれる。名称はイギリスの童話「ゴルディロックスと3匹の熊」に登場する少女の名前に由来している。

しかし、「生命の誕生・生存が可能な領域」は研究者によって考え方が異なり、厳密に定義されているわけではない。上記のように”液体の水”が存在していることが生命の誕生に必要不可欠であると考えている研究者もいれば、メタンや二酸化炭素などが液体で存在する領域でも十分に生命が誕生しうると考えている研究者もいるのだ。太陽系において液体の水が存在可能な領域にある惑星は地球しかないが、メタンや二酸化炭素などを含めるとその領域は大きく広がることになる。例えば土星の衛星であるタイタンではメタン液体で存在するのだ。 

また、木星の衛星であるガニメデでは水が液体として存在できる領域のであるにも関わらず木星から受ける重力によって潮汐加熱が起きるため液体の水が存在していると考えられている。こうした特殊な例では、もはやハビタブルゾーンを参考にすることはできない。 しかしながら太陽系におけるハビタブルゾーンはだいたい0.97~1.4AU(1AUは隊長と地球との平均距離)であり、地球がどれほど”幸運”であったのかよく分かる。この広い宇宙で生命が存在しているのは地球だけであるとは考えられないが、生命の誕生はこの宇宙にとってまさに奇跡的なことなのかもしれない。



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