盲腸は本当に切っても大丈夫なのか?

2017年4月12日
aid-1807541_640
最初に、本稿のタイトルには間違いがある。手術で切除するのは盲腸ではなく虫垂なのだ。

私たちがふだん「盲腸」と呼んでいる病気は、実際に盲腸で発生しているわけではない。「盲腸」は正式には急性虫垂炎といい、盲腸部から突出した細長い虫垂という器官で炎症が生じたものだ。

2J0Mg_z6ldawqu_v1-0

この画像の水色の線で囲っている部分が盲腸である。文字通り、腸の盲端部分であるので盲腸と呼ばれる。そして、青色の線で囲っている部分が虫垂だ。こちらは垂れ下がっているような様子であることから虫垂と呼ばれている。

従来はこの急性虫垂炎を「盲腸炎」と呼んでいたので、現在でも単に「盲腸」と呼称する場合が多いのだ。本稿でも便宜的に盲腸という名称を使用している。



さて、この虫垂は切っても大丈夫なのか?虫垂はこれまで全く必要のない器官であると考えられ、異常がなくとも予防の観点から切除が推奨されてきた。
 
しかし、2014年に大阪大学の教授らがマウスで行った実験によると、盲腸を切除したマウスは腸内の免疫抗体を産生する細胞の増殖が著しく遅延し、腸内細菌のバランスが崩れたという。恐らくはヒトも同じであると考えられており、実際に虫垂の切除で腸の炎症性疾患罹りやすくなることも報告されているという。

しかしながら、急性虫垂炎になった場合、切除をしなければ虫垂は破裂し、腹膜炎を合併させ死に至る場合すらあるのだ。急性虫垂炎で手術が必要なのであれば、まさしく「断腸の思い」で切除するべきなのである。



Twitterでツイート 
facebookでシェア 

関連記事
鎮痛麻酔として利用される笑気ガスとは?
副甲状腺の手術で行われる驚くべき手法とは?
驚異の遠隔手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」
超巨大なカレイ「オヒョウ」とは?