ハゲワシはなぜハゲているのか?


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ハゲワシは恐らく多くの人にとって嫌悪の対象であろう。体こそ立派な大型猛禽類であるが、その一方で頭部だけは体毛が薄く、一部のハゲワシは赤くてしわのある不気味な鳥肌の皮膚を晒している。腐肉食で、動物の死体に群れて死肉を漁る様子は他のワシのような威厳は全く感じられない。

彼らはなぜ頭部だけ毛が薄いのだろうか?イギリスの生物学者であり、進化論で有名なチャールズ・ダーウィンはその優れた観察眼によって一目でその奇妙な頭部の秘密を暴いた。

有名なビーグル号の航海記には、ハゲワシについて『死肉を食べるために適した頭を持つおぞましい鳥』と記録されている。


Vultures flickr photo by rawmeyn | Filmmaker Photographer shared under a Creative Commons (BY-ND) license

ハゲワシは動物の死骸に頭を突っ込んで肉や臓器を引きずり出して食べる。このときハゲた頭は、血や肉片、糞などがこびりついてしまうのを防ぐ働きがあるのだ。また、体毛の薄い頭部から熱を逃がすような温度調節機能も兼ね備えている。

腐肉食で、動物を殺すことはほとんど無いにも関わらず家畜を襲うと信じられ、これまで大量に駆除されてきたのは死肉を食べる習性や群がって貪り啄む様子、そしてこの不気味な頭部が原因なのかもしれない。現在は懸命な保護活動によって個体数が徐々に回復している種がみられるようになってきた。

人間も動物も、見た目だけで判断してはいけない。もちろん「ハゲた頭」に限定して言っているわけではないので、誤解のないように。

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