何の前触れもなくある日突然毛が抜ける「円形脱毛症」とは?


Back 'o the head flickr photo by Jinx! shared under a Creative Commons (BY-SA) license

ある朝起きて鏡をふと見たとき、夜お風呂で髪を洗っているとき――なんの自覚症状もなく、ある日突然現れた円形型の脱毛斑に気付く。あるいは、全く気付かないまま友人や理髪師の指摘によって初めて気が付くかもしれない。誰でも発症する可能性がある「円形脱毛症」とは?

円形脱毛症とは文字通り円形の脱毛斑が頭部に現れる病気で、前述の通りほとんどの人は自覚症状が無いまま脱毛症状が突然現れる。髪の長い人後頭部に円形脱毛が発生している場合、全く気付かないという場合も少なくない。脱毛部周辺の髪は易脱毛性(えきだつもうせい)があり、引っ張ると痛みも無く簡単に抜けてしまう。易脱毛性が確認される場合は、脱毛部分がしばらくは広がっていく可能性がある。


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症状の現れ方は人によって様々で、脱毛斑が1か所だけ現れて3か月程度で目立たなくなるような場合もあれば、脱毛斑が数か所現れる「多発型円形脱毛症」や、頭部の毛髪が全て抜けてしまう「全頭型脱毛症」、頭髪だけでなく眉毛やひげ,すね毛など全身のあらゆる体毛が抜ける「汎発型脱毛症」などがある。最初は1か所だけであった脱毛班が徐々に頭部全体へと広がっていく場合もあるので、脱毛部が1つだからと安心することはできない。

円形脱毛症の詳しいメカニズムはまだ明らかになっていないが、一種の自己免疫疾患といわれている。髪は眼球や脳と同じように「免疫特権」という特殊な性質があり、通常は身体の免疫機構からの影響を受けない。(参考記事:移植しても拒絶反応が起きない「免疫特権」とは?)しかし何らかの要因によって免疫特権システムが破綻すると、免疫機構であるリンパ球毛包を攻撃してしまうため髪が抜けてしまうのだ。

円形脱毛症において最も言及される要因はストレスである。医学的根拠は確立していないが、発症にストレスが関与していることは広く認知されており、患者の多くは真面目・几帳面といったストレスの感受性が高く、ストレスを溜め込みやすい性格であることが多いといわれている。また、円形脱毛症の患者の多くに他のアレルギー疾患との関連性が見出されており、今後の研究が待たれる。

脱毛斑が円形であるからといって円形脱毛症であるとは限らない。脱毛はインフルエンザなどによる高熱や無理なダイエットなどによる栄養不足など肉体的なストレスによるもの(中毒性脱毛症)である場合や、服用している薬剤の副作用もしくは細菌感染他の自己免疫疾患などの病気が原因である可能性もある。自然に治ることが多い円形脱毛症であるが安易な判断はせず、まず皮膚科を受診した方が良いだろう。

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